日時:平成30年2月10日(土)
場所:ザ・ホテル長崎BWプレミアムコレクション

 平成29年度の卒後セミナーは同門会設立20周年を記念して、同門会設立時に中心となって働きかけていただいた長崎大学医歯薬学総合研究科の沖田実教授と神津玲教授、そして現在同門会運営の中核を担う長崎記念病院の片岡英樹先生からご講演いただきました。司会は中野治郎先生と平瀬達哉先生に務めて頂きました。

 片岡先生には「これからの理学療法士に求められる臨床と同門会への期待」というテーマでご講演いただきました。日々の臨床において片岡先生が心がけていることや片岡先生自身が中心となって長崎記念病院で取り組まれている研究についてお話していただきました。特に臨床現場において疎かになりかねない“評価”について、各患者さんの状態を捉える上で重要であり、さらに臨床の効果判定としても重要な客観的指標となることから、評価は取る必要があることをご説明いただきました。また、「評価を取っていく上で分からないことがある場合は同門会にご相談して欲しい、可能な限り協力する」と暖かいお言葉を頂きました。

 神津先生には「これからの理学療法学研究と同門会への期待」というテーマでご講演いただきました。長年臨床のトップランナーとして駆け抜けられてきた神津先生が考えられる臨床における研究の意味合いについて教えて頂きました。また、臨床で働いていく上でクリニカルクエスチョンを持ち続けること、それに対する答えを模索するために評価や効果検証を行い続けることが重要であることを教えて頂きました。さらには、その結果の蓄積を学会で発表・報告し、有識者からの意見を頂くことが“研究”の一環であり、これが患者さんにより良いリハビリテーションを提供するための手段のひとつであることを教えて頂きました。“研究”という言葉の難しさにとらわれず、わからないときは相談してくださいという優しい気遣いも頂いております。

 沖田先生には「これからの理学療法学教育と同門会への期待」というテーマでご講演いただきました。初代同門会長でもある沖田先生からは、これまで多くの卒業生が知らなかった同門会設立の経緯やこれまでの沿革をご説明いただきました。また、本学理学療法学の専攻主任としてこれまでご尽力された後輩教育への取組みをご紹介いただきました。その中でも、卒業後も常に最新の情報をアップデートしていくことが患者さんに関わる我々理学療法士の責務であることをご説明いただき、その情報源のひとつとして同門会を活用していくことがよいのではないかとご提案いただきました。

 各先生から講演をいただいた後には、同門会設立20周年の記念式典が行われました。医技短の2期生から保健学科の16期生まで約100名の方にご参加いただき、職場や施設を超えた活発な議論や幅広い年代の方々との交流が行われました。また、日頃のリカレント教育や臨床実習指導でお世話になっている長崎市内の各施設の先生方に来賓としてお越し頂き、同門会に対する想いや期待を語っていただきました。懇親会はその後3次会まで続き、普段はなかなか話すことのできない先生方から今後の臨床につながる金言をいただく貴重な機会となりました。(文責:佐々木 遼)