日時:2012年3月9日(土) 
場所:長崎大学医学部保健学科101講義室

   2012年度の卒後セミナーのテーマは「内部疾患患者に対する理学療法」です。今年度の卒後セミナーでは、特別講演を呼吸器疾患と循環器疾患の二本立てとなっています。呼吸器疾患については長崎大学の神津玲先生を、循環器疾患については東京工科大学の高橋哲也先生をお招きしています。

神津先生は、「呼吸器疾患を抱える患者に対する理学療法」について講演して頂きました。呼吸器疾患の障害像に始まり、これから呼吸器疾患を患っている方が増加していくことが予想されています。呼吸器疾患を抱える患者様は、時間経過により身体活動量が低下してしまうこと、急性増悪を繰り返すことによりQOL、ADLが低下し、骨格筋への影響も生じてくる。呼吸困難のコントロールとして、換気能力を高める、換気仕事量を減らす、換気需要を減らすことがポイントである。これらには治療に加え運動療法を行うことでQOLの改善を図れる。COPDについての評価の進め方やエビデンスを踏まえた理学療法のすすめ方などを詳しくお話して頂きました。

高橋先生は、「心不全患者に対する運動療法の実際」について講演して頂きました。心不全もまた今後増加していくことが予想されています。心不全の分類やステージを考慮しての治療を行っていく。その中で、abcdeバンドル+eということを話されました。早期離床を行うためにプレ離床を行っていく。プレ離床は、ベッド上でもできる運動療法やEMSのような物理療法を行っていく。これらの心不全に対する理学療法を行う上での注意点や確認しておかないといけないことなどをわかりやすくお話して頂きました。呼吸器・循環器疾患が、高齢者にとって基礎代謝低下の原因となっており、リハビリの阻害になり運動負荷を見直す機会になりました。

今回より、懇親会をみなさんの思い出ある生協にて行いました。例年よりもたくさんの先生方に参加いただき、今年も盛況に卒後セミナーを終えることができした。(文責:広報部 濱本 寿治)