日時:2014年3月8日(土) 
場所:長崎大学医学部保健学科101講義室

 2013年度の卒後セミナーでは加藤克知先生の退官記念講演と「解剖学的所見と理学療法の接点」をテーマとしたシンポジウムが開催されました。まず、加藤先生の退官記念講演の冒頭では長きにわたる教員生活の思い出が語られました。ほとんどの同門会員にとって加藤先生の講義は解剖学の専門的な知識に触れることができる貴重な機会であり、講義中に拝聴した各器官の特徴や関係性のお話は臨床推論を構築するための基盤となっています。

 講演が進むにつれ、主題は加藤先生の専門とされている人類学へ移っていきました。特に、講演の中では先生ご自身が参画されていたアンデス先住民の人類学的研究プロジェクトについて触れ、人工頭蓋変形や頭蓋穿孔、首級に関するデータをわかりやすくご説明いただきました。

 加藤先生の講演後は中野治郎先生(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)が司会を務めるシンポジウムが開催されました。シンポジストには西 啓太先生(安永脳神経外科)と坂本淳哉先生(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)を招き、加藤先生にはアドバイザーとして参加していただきました。
 西先生には「仙腸関節の加齢性変化について」、坂本先生には「肉眼的解剖学的観察からみた股関節疾患患者の下肢関連痛の要因」というテーマで講演をいただきました。お二人の先生からは理学療法の視点で行った解剖学的研究について話題提供をいただき、加藤先生からはそれぞれの研究に対する多くの建設的なご助言をいただきました。

 シンポジウム終了後には加藤先生の退官セレモニーが企画され、先生の指導を仰いだ数多くの卒業生・在校生より花束や記念品が贈呈されました。(文責:広報部 石井 瞬)