日 時:平成22年3月6日(土)
場 所:長崎大学医学部保健学科101講義室
テーマ:高齢者に対する運動介入の効果

講演では、最初に、高齢期における虚弱の定義、虚弱と障害との相互関係、また高齢期の歩行機能低下予防について最新の研究成果を基にお話いただきました。虚弱予防に関して、身体機能の面からは、歩行能力の保持が重要であり、私たち理学療法士の専門性を発揮できるという点を再認識させていただき、参加会員の皆さん、たいへん興味深く聴き入っていました。
   講演の後半では、精神的虚弱の予防について、認知機能維持のための食事、運動、知的活動、社会参加の効果を、具体例を交えながらご紹介いただきました。


   セミナー後半のシンポジウムでは長崎大学医学部保健学科作業療法学専攻の田平隆行先生、10期生の中原和美先生(長崎大学医学部保健学科理学療法学専攻)、13期生の平瀬達哉先生(虹ヶ丘病院)から「高齢者に対する運動効果」について発表していただきました。田平先生は認知機能面に対して、中原先生は心理面に対して、平瀬先生は身体機能面に対しての運動効果について、それぞれの研究成果・取り組みをご紹介いただき、参加された会員の皆さんも、日々の臨床の中で、応用できるよう熱心に3人の先生方のお話に聴き入っていました。  
   シンポジウムの最後には、特別講演の島田先生から、3人の先生方の研究成果に対してのご感想、今後さらなる研究の発展を期待するお言葉をいただき、また会場との活発な意見交換もあり大盛況の中、充実したセミナーが終了しました。今年度の卒後セミナーは、高齢者に対する運動効果に関して、身体機能面に加えて、認知機能・心理面からも様々な評価・アプローチを考える良い機会になり、会員それぞれが日々の臨床の中で、エビデンスを積み重ねていくことの大切さを実感できる有意義な内容であったと思います。またの機会にぜひ、島田先生をお招きしてこのようなシンポジウムが開催できる日を楽しみにしています。
   今回の卒後セミナーの内容は、理学療法探求第13巻に掲載される予定です。 (文責:広報部 下迫 淳平)