場所:長崎大学保健学科101講義室(オンラインとのハイブリッド開催)
日時:令和3年3月20日(土)
テーマ:「理学療法の効果を高めるための栄養学」

 特別講演では長崎大学病院の高畠英昭先生に「理学療法士に必要な栄養学の基礎知識」というテーマでご講演いただきました.栄養学に関する基礎知識に加え,栄養不足による弊害やその介入戦略について,最新の知見や長崎大学病院の取り組みをもとに詳しくお話ししていただきました.

 続いて,長崎リハビリテーション病院の西岡心大先生に「臨床における栄養管理の実践:理学療法士への提言 」というテーマでご講演いただきました.低栄養と機能障害・能力障害の関わりについて説明していただきました.その中でも回復期においては積極的な運動に合わせて積極的に栄養を摂取する「攻めの栄養療法」という表現は非常にインパクトがありました.

 シンポジウムでは国立がんセンター中央病院の福島卓矢先生(保健学科5期生)に「栄養状態を考慮した理学療法の介入戦略:理学療法士が直面する課題」というテーマでの話題提供をいただきました.がん患者に対する理学療法では筋機能障害のマネジメントを行い,多職種協働で運動療法と栄養療法を併用したアプローチを行う重要性を症例報告としてお話しいただきました.

 福島先生からの話題提供の後に,医師,管理栄養士,理学療法士の立場から,多職種協働の意義や栄養状態に焦点を当ててどのような取り組みが行われるべきかなどの討議が行われました.坂本会長や本田学術部長からの質問に対し,先生方からそれぞれの立場での意見を述べられ,急性期から回復期,がんリハビリテーションにおいて理学療法の効果を高めるための栄養学ではどのように多職種協働を図っていくのかなどが議論され,会場やオンラインで参加された200名の方々の今後の臨床に活かせるセミナーとなりました.(文責:田中 陽理)